第4998サバンナ(肉食と草食、そして野の花) - スポンサー広告5000夜(文章ノート)
FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第4998サバンナ(肉食と草食、そして野の花)

週末、義理の孫のベビーシッティングをしに行った。3か月程になる女児は急速に視線も明確になって、私を認識し微笑んでくれるのが嬉しいのだけど、こちらがむしろ気になったのは、(持ってないので)普段は見ないTVだった。ナショナルジオグラフィックのネコ科特集のようなものをやっていて、動物好きの妻はそれにチャンネルあわせたわけだ。ネコ科とは言え、ライオンやチーターが各々どのようにして狩りをするのか、種ごとの戦略はどうなのか、というようなドキュメンタリーでつい引き込まれてしまう。

多くの家庭で比較的視聴するような番組でもあり、チーターが逃げるガゼルをやっつけるようなシーンでほぼ必ず子供にショックを与える類のものだ。私もカメラで撮ってる位ならなぜ助けないのか、と聞いた覚えがある。むろんそこで子供は、自然は厳しいのだ、と言う事を学ぶことになるのだけれど、この度驚いたのは40年程の間の撮影技術の向上だった。つまり生々しさの度合いが凄い。あるいは、隠れたり遠隔から撮影する技術の発達によって、改めて自然のままの彼らの生態の明るみにされる加減が、子供の頃によく見た動物番組などとは段違いなのだ。あるいは内外の放送局のポリシーの違いなんかもあるかも知れない。

それで、「凄惨」な場面があまりに続き、30分もしないうちに妻は見るのをやめてしまう程だったけれど、私にしても、なんて彼らの人生はツラいのだろうと思わざるを得なかった。草食動物はいつでもビクビクと敵を警戒し、挙句の果ては生けるまま肉を引きちぎられ貪り喰われる。ケガをしてハイエナの群れなんかに見つかったら一巻の終わりだ。弱ってる部分からきちんと狙われ喰われる。捕食者にしても、いつでも腹をすかせ、狩りをするのにも多大なリスクが伴うのだから決して楽な人生(動物生?)ではなかろう。一度狩った獲物を横取りされることも稀ではない。

弱い個体は死ぬべきなのだ、なんて当たり前のことを当たり前に思う以上に、そのしんどさの事をつい思ってしまう。こんな風には生きたくない。シッダールタが初めて城外へ出て、人の世は苦ばかりであるとショックを受けたのはこんな気持ちだったに違いない。それで自然は厳しいけれど美しい、なんて言葉はついに陳腐な響きをもって聞こえてくる。畜生に比べれば私達の人生は随分ましではなかろうか、という気が果てしなくしてくる。少なくとも、(ゾンビ映画の中以外では)弱者をじかに喰らうという事はない。

ただ同時に、私達の世界で人間がしていることも、基本は変わらないのだという思いが消えない。だからウサギになりたいとも思わないし、ライオンだって辛そうだ。選ばねばならぬとしたら、最後は私はむしろ植物になりたいと思ったほどだった。とは言え、いわゆる緑の革命によって食料自体は大分足りるようになってきたから、進歩はしてる。特定の条件で農家が逆に貧しくなる等の構造的問題があったり一筋縄では行かないにせよ、飢えを失くしかけてる事自体は大進歩だ。ばんざい。それで改めて明らかになってきたむしろ本当の問題は、食料だけでは人はまだちっとも満足できないという事だろう。それは動物の方が遥かに慎ましい。その意味の限りにおいては自然は美しいと言っても良いのかも知れない。

キーワード:自然、動物、食料問題、緑の革命、経済格差。
関連記事

Comments - 0

Leave a reply

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。