第二四九稿(Dunhill Red Bark LBS F/T 1973) - スポンサー広告これはバイク(パイプ)ではない。

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第二四九稿(Dunhill Red Bark LBS F/T 1973)

ヴィンセント・ギャロというミュージシャン・映画監督がいますが、彼の代表作「バッファロー'66」を
ある時年下の女性に(確かDVDを貸してくれつつ)勧められて軽い反発を覚えたことがあった。
かっこよくてミュージシャンでさらに畑違いの映画まで?と思うわけだ。
それも主演に監督に美術に音楽まで担当だって?
私にはそれなりにマイナーな映画も数多く見ているという自負もあった。シネフィルなのだ。
早い話がチャラそうだな、と思ったわけだ。
それでも(気になる女性の言う事には)なんでも比較的素直に従う私は、見てみたのだけど
結果はなるほど確かに悪くなかった。
色彩を抑えた映像にはストイックな美学があったし、脳内の映像を切り出す独特のカメラワークはオリジナルだ。
寒々しい郊外の場末感漂う中、ダメ男全開のギャロがそのダメさ加減にますます溺れていくなか
そっと寄り添うかのような、(美人過ぎずかつ肉付きの良い)クリスティーナ・リッチの描き方は確かに心を打つ。
バレエのチュチュ的な衣装だけを着ずっぱりの彼女は、一見田舎の安い娼婦風のようでいて
その実清楚な天使のようにも見えるという、ギリギリの線をうまく演じてる。
ダメ男を自認せざるを得ない(普通、世の大半の)殿方達には相当悩ましい存在だろう。
思えば、DVDを貸して寄越したその子も色白で肉付きは良い方だったから、自分と重ね合わせてたのかも知れない等と思わなくもなかった。

しかし、話は全然変わるし無理矢理変える。その後、件のギャロ様のインタビュー等を見る機会があった。
奴は赤い革ジャン(ライダース)をお召しになっていたし、相変わらずの長髪ロッカー風で見栄えがした。
そう言えば映画の中でも赤い革ブーツを履いていたはずだ。
赤い革なんて男はそうなかなか着こなせない。
着るべきかも知れない。ちょっと口惜しい。

r-RB2.jpg

赤い!それもこのテクスチャーは凄い。
これはある意味私にとっての赤い革ジャンではなかろうか。
ステムはかなり変色しているし程度はそれなりかも知れないが、この世界で赤い革ジャンを想起させるなんて
滅多にない。だから、得なければならない。
男好きのする黒くストイックなものばかり集まる傾向があるから、赤を入れてあげるのも悪くないと思う。
少なくとも連れ合いは喜ぶだろう。
丁度60年のLBの到着を待っている間だったし、個人的にはさらなるファミリーをという気持ちもある。
俄然やる気になって高くても落とすつもりだった。
凄いグレインでそれはレアな感じだが、とは言え「赤ジャン」を欲しがる男子もそれ程多くはなかろう…
幸い確かに競合相手は殆どいなかったようだ。
およそ150ドルもいかないうちに手中に落ちたのだ。

r-DSCN8147.jpgr-DSCN8148.jpg
r-DSCN8150.jpgr-DSCN8151.jpg

かなり変色している上に、シャンクとの隙間が大きい。
ゴムの跡もあるのに歯型もある。
これは出品時点でわかっていた。
最悪この色味でも赤革のDr.マーチンの靴底みたいだからいいかも、とか思っていたのだ。

そう言いつつもステムはオキシクリーンにかけ
参照YOBさん #マウスピース:オフパイプ・ポリッシング&Oメソッド

r-DSCN8165.jpgr-DSCN8166.jpg

隙間はシャンク(およびテノンの先端も僅かに)削って合わせてしまう。

r-DSCN8268.jpg

赤い染料が目に鮮やかだ。黄土色の方はエボナイトの色。
ちなみに一度硫化したエボナイトの色が元に戻ることはなさそうなので、
オキシクリーン等の酸素系漂白剤を使う意味は限定的かも知れない。
その場合、変色した部分を取り除く以外に方法はないからです。
処置後は表面のテクスチャーが脆くなる方向へ変化するので削り取りやすくはなるかも知れません。
モデリング等でペーパ―がけに慣れた人には必須というわけではなさそうです。

r-DSCN8190 (2)

正直、もっと赤くてもよかった。
隙間は殆どわからない程度まで修正できた。

r-DSCN8191.jpgr-DSCN8192.jpg

レッドバークには珍しい程のグレイン(と思う)。
素人なので派手なグレインに惹かれてしまう。潔い程の杢目が色味とあいまっていやらしく独特だ。
製造は73年。この後もっと明るい赤になるらしいのだけれど、これはそうなる前と思われます。
写真の色調がとりわけ赤いだけでは?と疑ってたけれど、残念ながら多少その通りだったようだ。

r-DSCN8232.jpgr-DSCN8159.jpg

それでも光線の加減では結構赤い。
LBSは大きいけれど軽みが同居してる。また実際手にも口にも軽い。

r-DSCN8316.jpg

SGのフレイク(BBF)を一枚まるごと入れてこの状態。
私にはとても扱いやすいし、見た目の満足度が高い。
場合によってはもっと赤くしてやろうか、と思ったり。
赤い漆器や赤い仏具、あるいは緋縅の鎧や面頬なんかを思い起こさせるのだ。

73年なので通説に従えば例のキュアリングはないはずですが、そう思うと多少薄味に感じる時もある。
ただ既に(非)信仰告白をしているように私は背信者なので、不明なことについては語りません。
(ただし信仰の自由は憲法で保証されています。)
ひとつ言えることは、ステムのセンターが出ていない。
つまり奥まで入れると合い真っ直ぐになりますが、捻ると僅かに軸がずれているのがわかる。
このあたりをして、品質が落ちたと言われる所以だとすればそれはその通りかも知れない。
もっともオリジナルのステムかどうかも不明なので、やはり決めつけることはできないのだけれど
奥まで入れて真っ直ぐになるので、仮にステムのセンターが出ていたとしたら真っ直ぐにはならないはずでもある。

いずれにしてもこの度のダンヒルLB、LBSの獲得は個人的には大変満足の行くものでした。
価格も決して高いものではなく(とりわけLBSは)、かつ今後も長く使えるとなれば価値があります。
場所もとらず日常で愉しめる。他人様には大して意味がない御託も本人には面白い。
それに尽きるかと。
今後は外出用にもっと赤く、銀巻きで小ぶりなレッドバークかルビーバークがいずれ欲しいと思いつつ。

(2017年2月20日国際Pスモーキングデーに。この稿了。)
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