第二四六稿(ダンヒルその五およびその後・余談)
(持っていませんが)トヨタよりは日産の方が、(持ってませんが)ベンツよりはBMWの方が、
新車よりは中古車が、ホンダ・ヤマハよりはスズキを愛し、
英語よりは仏語の方が、と選んできた私が(それでもミーハーなのには変わりがない)
あまり意識せずにいたダンヒルそれもヴィンテージものに乗り出して以来すっかり心を奪われてしまった。
いわゆる中年になって好みが保守化したのかも知れない、と内心忸怩たる思いをしつつも
見てるとついつい食指が動きます。
そして吸わず、眺めて触っては磨き、またラックにしまい、と独り悦に入るあたり、とうとう私も
立派な「休日のパパ」のやうになったかと思う。
同時にゴルフクラブでも持たせてやればとりあえず漫画にはなるだろう。
もちろんこれを焼きが回った、と言い換えても同じことなのだけれども。
蒐集しないと言いながら(あるいはその振りをしつつ)、こわごわと暗い沼に足を踏み入れつつあるの感じ。
それでも聖堂はなるべく外から覗き込む。私は平静を保っている、と自ら言い聞かせつつ
せっかく来たのだから、とロウソクに火を灯し、いくばくかの寄進ならば厭わない。
そしていつの間にか、賛美歌の一つくらいは歌えるようになるのかも知れない。
いずれにしても、探求は始まったばかりとも、また(実は背信者であるがために)既に終わった、とも。
とは言え今すぐレジュメをするわけにもいかないので、この後は惰性に任せて進む予定です。
それなりに反骨精神を持つくせに実は軟弱でミーハー、という私自身を象徴するかのように
それなりにコレクティブルなものを欲しがりつつも、その実あまり拘らないということになるのでしょう。
それに、なにより見た目の美しいものに弱いのです。
自分的に意味があり、そして恰好よければそれで良いことになるはずです。

昨年末(2016)、69年のシェルを入手した際、ついでに59年のLB(のシェル)も手に入れてました。
※シェイプコード「LB」、一般にラージ・ビリヤードと言われるシェイプ。
例によってYe Olde Briarsさんの記述に詳しいですが、本来はその意味の略語というわけではないらしい。
数あるコードのうちこれひとつが、たまたまその形状をあらわし得る語、つまりラージ・ビリヤードに読める
ということに過ぎないよう。でも、それが為に認知度が高いとも言える。
そして通常小さ目で華奢な印象さえある他のビリヤード群に対して
この巨体が存在感をいや増しにするのか、恐らく優に100以上はあるだろうコードのうちこれだけが
「LBファミリー1」を形成しつつ、たしかに別格の感はあるように思える。
事実ebay上でも"○○のLB Shape"のように、しばしば造語作用を持つのを確認できるし
それはなかなか他のコードではあり得ないように見受けられるものです。
1LB(472), 細いシャンクのLBS, 短い127, LBSの短い版の126.
参照 YOBさん Dunhill's Shell Briar LB/7 Large Billiard Double Patent(1929)
Alfred Dunhill Shellbriar 127 Group 4 Stout Billiard (1967)
とにかく、大き目のボウルでゆったり吸うのが好みの私としては、すぐに欲しくなってしまうようなモデル。
あたかも釣り人がヘラブナに始まりヘラブナに終わる、と良く言うのに通じるかのようなビリヤード型、
初心者向けでもあると同時にいぶし銀的通好みなシェイプでもある。
だから定番中の定番で、コレクターであるなら一種のマストでもあるのでしょうし、事実ebayでは
程度の良いモノがある程度いつでも、価格も高めで出ているような気がする。
そんな時、程度の悪そうなものが格安であったので、レストアの練習がてらさっさと落札してみたのでした。
ところがすぐに売却してしまった。理由は:
要は、程度の悪いのをわかって購入したのに関わらず、やっぱりそれが気に入らなかったというだけの自業自得。
色を入れシェラックで保護し、ステムも真っ黒にしたので一見小ぎれいにはなったのを良い事に
そそくさと手放してしまった。つまりアメリカから来て、すぐにトンボ帰りした。
欠点を明示しつつかつLBとしては安い値でしか売らなかったので、良心が痛むこともなかったけれど
購入者がワンダフル!と言ってくれて多少は安堵したのも事実だ。




グレインは結構はっきりしたものだったけれど、好みではなかった。
ステムはしっかり痩せさせてしまったし微妙な曲線も失われてしまったようだ。
私にはすぐに濃い甘みの来る扱いやすい個体ではあったけれど、別に「特別な味」はしなかったと思う。
そこで、もうひとつLBを購わなければいけない。
無論いけない、ということはないけれど、やはりそうしたい。
パテント期は私には高価に過ぎるので、55-69年の間になるだろう。
シェルに拘らなくともよいのだけど、今ではブラストが好みになってきてる。
手入れが楽だし、なにより木肌がそそる。
黒いパイプばかりが集まる傾向があるから、たまには色違いでタンシェルも良いかも知れない。
(まだ)続きます。
新車よりは中古車が、ホンダ・ヤマハよりはスズキを愛し、
英語よりは仏語の方が、と選んできた私が(それでもミーハーなのには変わりがない)
あまり意識せずにいたダンヒルそれもヴィンテージものに乗り出して以来すっかり心を奪われてしまった。
いわゆる中年になって好みが保守化したのかも知れない、と内心忸怩たる思いをしつつも
見てるとついつい食指が動きます。
そして吸わず、眺めて触っては磨き、またラックにしまい、と独り悦に入るあたり、とうとう私も
立派な「休日のパパ」のやうになったかと思う。
同時にゴルフクラブでも持たせてやればとりあえず漫画にはなるだろう。
もちろんこれを焼きが回った、と言い換えても同じことなのだけれども。
蒐集しないと言いながら(あるいはその振りをしつつ)、こわごわと暗い沼に足を踏み入れつつあるの感じ。
それでも聖堂はなるべく外から覗き込む。私は平静を保っている、と自ら言い聞かせつつ
せっかく来たのだから、とロウソクに火を灯し、いくばくかの寄進ならば厭わない。
そしていつの間にか、賛美歌の一つくらいは歌えるようになるのかも知れない。
いずれにしても、探求は始まったばかりとも、また(実は背信者であるがために)既に終わった、とも。
とは言え今すぐレジュメをするわけにもいかないので、この後は惰性に任せて進む予定です。
それなりに反骨精神を持つくせに実は軟弱でミーハー、という私自身を象徴するかのように
それなりにコレクティブルなものを欲しがりつつも、その実あまり拘らないということになるのでしょう。
それに、なにより見た目の美しいものに弱いのです。
自分的に意味があり、そして恰好よければそれで良いことになるはずです。

昨年末(2016)、69年のシェルを入手した際、ついでに59年のLB(のシェル)も手に入れてました。
※シェイプコード「LB」、一般にラージ・ビリヤードと言われるシェイプ。
例によってYe Olde Briarsさんの記述に詳しいですが、本来はその意味の略語というわけではないらしい。
数あるコードのうちこれひとつが、たまたまその形状をあらわし得る語、つまりラージ・ビリヤードに読める
ということに過ぎないよう。でも、それが為に認知度が高いとも言える。
そして通常小さ目で華奢な印象さえある他のビリヤード群に対して
この巨体が存在感をいや増しにするのか、恐らく優に100以上はあるだろうコードのうちこれだけが
「LBファミリー1」を形成しつつ、たしかに別格の感はあるように思える。
事実ebay上でも"○○のLB Shape"のように、しばしば造語作用を持つのを確認できるし
それはなかなか他のコードではあり得ないように見受けられるものです。
1LB(472), 細いシャンクのLBS, 短い127, LBSの短い版の126.
参照 YOBさん Dunhill's Shell Briar LB/7 Large Billiard Double Patent(1929)
Alfred Dunhill Shellbriar 127 Group 4 Stout Billiard (1967)
とにかく、大き目のボウルでゆったり吸うのが好みの私としては、すぐに欲しくなってしまうようなモデル。
あたかも釣り人がヘラブナに始まりヘラブナに終わる、と良く言うのに通じるかのようなビリヤード型、
初心者向けでもあると同時にいぶし銀的通好みなシェイプでもある。
だから定番中の定番で、コレクターであるなら一種のマストでもあるのでしょうし、事実ebayでは
程度の良いモノがある程度いつでも、価格も高めで出ているような気がする。
そんな時、程度の悪そうなものが格安であったので、レストアの練習がてらさっさと落札してみたのでした。
ところがすぐに売却してしまった。理由は:
- トップが多少削られていた。
- ステムを磨きすぎて痩せさせてしまった。
要は、程度の悪いのをわかって購入したのに関わらず、やっぱりそれが気に入らなかったというだけの自業自得。
色を入れシェラックで保護し、ステムも真っ黒にしたので一見小ぎれいにはなったのを良い事に
そそくさと手放してしまった。つまりアメリカから来て、すぐにトンボ帰りした。
欠点を明示しつつかつLBとしては安い値でしか売らなかったので、良心が痛むこともなかったけれど
購入者がワンダフル!と言ってくれて多少は安堵したのも事実だ。




グレインは結構はっきりしたものだったけれど、好みではなかった。
ステムはしっかり痩せさせてしまったし微妙な曲線も失われてしまったようだ。
私にはすぐに濃い甘みの来る扱いやすい個体ではあったけれど、別に「特別な味」はしなかったと思う。
そこで、もうひとつLBを購わなければいけない。
無論いけない、ということはないけれど、やはりそうしたい。
パテント期は私には高価に過ぎるので、55-69年の間になるだろう。
シェルに拘らなくともよいのだけど、今ではブラストが好みになってきてる。
手入れが楽だし、なにより木肌がそそる。
黒いパイプばかりが集まる傾向があるから、たまには色違いでタンシェルも良いかも知れない。
(まだ)続きます。