第二二六稿(Butz-Choquinの読み方と喫煙「技術」について)
こんなものを見つけたので。
「Butz-Choquinによるパイプ喫煙術。」

貴方の煙草の芳香をより豊かに…
サンクロードのパイプマスター
・・・
時に、全く個人的な意見ですが、私はあまり「喫煙技術」という言葉を用いません。何故かと言えば、「技術」と呼ぶのは大仰に過ぎると思うからです。とは言え、これが奥深い嗜好品のその味わいにおいて大きな影響を及ぼすことには異論はありません。確かにとても繊細かつ微妙なもの。ただ私にとって「技術」の語とはもう少し切羽詰まった対象に使うものなので多少奇異に感じるのも事実です。例えばヘリコプターの操縦技術を得ずして飛べば必ず死ぬでしょう。
パイプ喫煙にはそこまでの要求はありません。むしろもっと軽やかで楽しいものです。
ただしこれは間違い云々の問題ではありません。逆に言えば、それだけ微妙で幽玄な世界で、かつ難しくもあるというスモーカー達の持つ印象を代弁し象徴しているとも言える。だから「技術」の語をあえて使うのだし、またそれがそれなりの規模で共有されるということです。だから例えばもしパイプ喫煙にさらにもっと重々しく権威づけをしたい等と思うのであれば、むしろどんどん使えば良いのです。別にそれに反対するものでもないことを付け加えておきます。

さて、パイプを始めた頃色々資料を漁っていて見つけたものがあったので訳してみました。
特に目新しい内容はないようですが、一資料としてはちょっと面白くもあるかと。
反面いつのどんな時のものかわからないので、資料としてきちんとしたものでもありません。
最後まで吸え!というのは必ずしも現在共有されてない気もしますから、興味深くはあります。
ところで表題の、Butz-Choquinの発音についてですが、実はまだ未確認です。ただ普通に考えればビュッツ・ショカンだろうとは思います。邦訳ではブッショカンがすでに定訳的になっている気がしますが、これも実は間違い云々の問題ではありません。
tzの語尾はフランス語らしくない語尾で、つまり外国語(ドイツ系)起源の固有名詞ということですから、読み方には幅がでることがままあります。これを外国語だろうと気を利かしてツと読む人もいる。時に地名にMetzという場所があって(ドイツ寄り)、これは逆にメスと読む。(※メッツと読むと地元民は反発する。近いだけにドイツと一緒にするな、という意識があるのかも知れない。)だからメスからの類推でビュッス・ショカンと読む人がいる可能性も捨てられない。
いずれにしても、「ビュッツ」か「ビュッス」かの違いに収束するのだけど(追記:対してショカンの方に疑いはありません、正確を期すならば最後のカンは鼻母音)、この「ツ」も「ス」も続けて読めばショカンのシとくっついてしまいますから、我々の耳には聞こえづらくなります。仮にビュッツと読むとして、その閉鎖のtをきちんと発音するのならチョカンのようにもなりますが、これも慣れぬ耳にはちょっと判別しにくい。
そのような訳で、かつての人がブッショカンとしたのは理解できる。いずれにしてもカタカナにする時点で、発音体系が全く異なりますから、それを「正しい」か「正しくない」か論じることにはあまり意味はありません。むしろここで面白いのは、聞こえてないButzの音をカタカナにしなかったのに、それがあるが故に促音のように聞こえるのを律儀に小さなッで表していることですね。ブッなんて日本語としてはかなり不自然な発音で、今日ほとんどの人は部署間(ブショカン)と発音してるのではないでしょうか。
そしてそれもまた一つの方法です。「間違い」ではありません。
多くの人に共有されているかどうかだけです。
(ちなみに私は単にBC、ベーセーと言ってる。便利だ。)
「Butz-Choquinによるパイプ喫煙術。」

- 決してアルコールで「事前ブレイクイン」をしてはいけません。アルコールはチャンバーを劣化または駄目にしてしまいます。あなたのパイプの寿命を短くしてしまいます。
- 最初の10回は軽めに詰めた煙草を半分ほどにします。その後少しずつ量を増やしチャンバー全体にカーボンが付くようにします。
- 煙草全体に均一に火が付くよう注意しながら、小さな火で点火します。
- 時折タンパーで詰めながらとてもゆっくりと喫煙します。そうすれば均一な燃焼を得られるでしょう。さらに吸いを穏やかにすることで、パイプが「汁を出す」という残念な経験をせずに済むでしょう。
- 最後の一葉まで吸い切りましょう、あなたのブライヤーの質はより良くなります。
- パイプが熱いうちは決して再使用してはいけません。休ませてください、さすればその全き芳香を保つでしょう。
- 熱による膨張率が異なるので、冷めるまではステムを外してはいけません。
- ステムを外す際はネジを外す如くにします。はめる際も同様です。
- 掌に優しく打ち付け、あるいはタンパーの助けを借りて灰を捨ててください。硬いものに打ち付けてはいけません。仕上げが駄目になってしまいます。
- チャンバーを引っ掻いてはいけません。傷つける恐れがあります。カーボンの層は良いスモーカーの証でもあります。
- 専用のモールを使って頻繁に掃除してください(シャンク、ステムおよびシステム)。さすれば全てのタールを取り除けます。
貴方の煙草の芳香をより豊かに…
サンクロードのパイプマスター
・・・
時に、全く個人的な意見ですが、私はあまり「喫煙技術」という言葉を用いません。何故かと言えば、「技術」と呼ぶのは大仰に過ぎると思うからです。とは言え、これが奥深い嗜好品のその味わいにおいて大きな影響を及ぼすことには異論はありません。確かにとても繊細かつ微妙なもの。ただ私にとって「技術」の語とはもう少し切羽詰まった対象に使うものなので多少奇異に感じるのも事実です。例えばヘリコプターの操縦技術を得ずして飛べば必ず死ぬでしょう。
パイプ喫煙にはそこまでの要求はありません。むしろもっと軽やかで楽しいものです。
ただしこれは間違い云々の問題ではありません。逆に言えば、それだけ微妙で幽玄な世界で、かつ難しくもあるというスモーカー達の持つ印象を代弁し象徴しているとも言える。だから「技術」の語をあえて使うのだし、またそれがそれなりの規模で共有されるということです。だから例えばもしパイプ喫煙にさらにもっと重々しく権威づけをしたい等と思うのであれば、むしろどんどん使えば良いのです。別にそれに反対するものでもないことを付け加えておきます。

さて、パイプを始めた頃色々資料を漁っていて見つけたものがあったので訳してみました。
特に目新しい内容はないようですが、一資料としてはちょっと面白くもあるかと。
反面いつのどんな時のものかわからないので、資料としてきちんとしたものでもありません。
最後まで吸え!というのは必ずしも現在共有されてない気もしますから、興味深くはあります。
ところで表題の、Butz-Choquinの発音についてですが、実はまだ未確認です。ただ普通に考えればビュッツ・ショカンだろうとは思います。邦訳ではブッショカンがすでに定訳的になっている気がしますが、これも実は間違い云々の問題ではありません。
tzの語尾はフランス語らしくない語尾で、つまり外国語(ドイツ系)起源の固有名詞ということですから、読み方には幅がでることがままあります。これを外国語だろうと気を利かしてツと読む人もいる。時に地名にMetzという場所があって(ドイツ寄り)、これは逆にメスと読む。(※メッツと読むと地元民は反発する。近いだけにドイツと一緒にするな、という意識があるのかも知れない。)だからメスからの類推でビュッス・ショカンと読む人がいる可能性も捨てられない。
いずれにしても、「ビュッツ」か「ビュッス」かの違いに収束するのだけど(追記:対してショカンの方に疑いはありません、正確を期すならば最後のカンは鼻母音)、この「ツ」も「ス」も続けて読めばショカンのシとくっついてしまいますから、我々の耳には聞こえづらくなります。仮にビュッツと読むとして、その閉鎖のtをきちんと発音するのならチョカンのようにもなりますが、これも慣れぬ耳にはちょっと判別しにくい。
そのような訳で、かつての人がブッショカンとしたのは理解できる。いずれにしてもカタカナにする時点で、発音体系が全く異なりますから、それを「正しい」か「正しくない」か論じることにはあまり意味はありません。むしろここで面白いのは、聞こえてないButzの音をカタカナにしなかったのに、それがあるが故に促音のように聞こえるのを律儀に小さなッで表していることですね。ブッなんて日本語としてはかなり不自然な発音で、今日ほとんどの人は部署間(ブショカン)と発音してるのではないでしょうか。
そしてそれもまた一つの方法です。「間違い」ではありません。
多くの人に共有されているかどうかだけです。
(ちなみに私は単にBC、ベーセーと言ってる。便利だ。)
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