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第二一七稿(2016年、雨のフレンチオープン日仏対決:錦織圭 vs R・ガスケ―)

ニシコリ君が負けてしまいました。私はあまりスポーツ観戦が好きではないのですが、正確に言うとサッカー観戦が好きではない。特にワールドカップの際はナショナリズム満開でマッチョ過ぎるし、国内リーグだとしても贔屓のチームに肩入れし過ぎてあたかも代理戦争の様相の如し、勝つのが当たり前で負けたら戦犯扱い、なんてハゲすぎる。そんなに勝ちたいのなら、自分でやればいい。でもその為にはいつでも負けるリスクを受け入れなければいけない。自分は参加せず、傍から勝手に自己投影をして騒ぎ立てるなんて理解に苦しんでしまう。


2012 French Open map-fr

ところで、テニスはマッケンローの時代から時々見ていて、特に男子シングルスの孤独な戦いにはつい引き込まれてしまう。世界最高峰の動きとテクニックに加えて長時間を戦い抜く精神力、自分では絶対にできないと思いつつ、それだけに惚れ惚れしてしまう。それにあくまで個人戦の様相が強いし、ダブルスなんか国籍を問わず組んでるのも私好みだ。

ところが、この度はつい錦織選手を応援してしまった。つまり肩入れしてしまった。色々経歴など調べてるうちに、幼い頃より随分頑張ってきたんだなあ等と思い、それが大成長して日本人選手としてはあり得ない程のクラスに到達しながらも世界の壁は厚くてやっぱり勝てない。それで小兵が大柄な鬼達に挑む、みたいなメタファーが自然と脳内でなされ、さらには「明治以降、我儘な列強に伍そうと実力以上に頑張ってきた日本人」みたいなありがちなナショナリズムさえ我がうちに沸々と形成されていくのがわかる。

だから、先日のガスケ戦では私はすっかり、その私の嫌いなサッカー観戦者のようになっていました。錦織君がらしくないミスを連発するたびに胸が締め付けられ、しまいには悪態をつきはじめるありさま。雨のせいだと思ってみたり、まさに寒さの夏でうろうろしたり。最初の2セットを続けて落とした時には、「もうダメだ」と大袈裟に見放してみたり。負けるのが辛すぎるから、そうやって予め諦めておく。統計的にも2セットダウンから勝つ選手は稀だから、それはもう諦めておいた方が精神衛生上良い。もしかして…?なんて期待すると後にさらに落胆してしまうから。

幸い、私の仏人の奥さんはテニスにはてんで興味がなく、かつガスケはスイス住まいと聞いて「税金逃れね」と即座にレッテルを張り(事実ではあろう)、重ねて本来日本贔屓の人なのでこちら側についてくれた。もっとも、錦織君は見た目も爽やかな美男なので、というのも大いに効いてるだろう。ガスケが休憩の度にいちいちラケットのグリップを巻き直すの見て、「なんかイライラする」「ムカつく」位の勢いで「ニコシリ」の応援に加わってくれるようにはなったけれど、まあ勝ち負けとは表裏一体なので勝たない時は無論負けるしかない。だからそれは仕方がない。

ちなみに仏人はあまりテニス選手に強いのがいなくて、ロラン・ギャロスは長年外国人にとられっ放しだ。最後の優勝は1983年のノア以来だから、彼らがフランス人の優勝を待ち望んでいるのはわかる。自国開催の大会なのに、30年以上優勝者がいないのだ。だから、スタンドの応援はすべからくガスケに向かうし、もともと姦しい人達だから声援も大きい。傍から見れば、そもそも四大大会の一つを擁している時点で恵まれているように思えるけれど、もともと持ってる人達にはその価値はわからない。だから、他所に持ってかれる、という意識の方が強いのかも知れない。長年に渡る移民問題もあるし、もしかすると被害者意識さえ持っていてもおかしくない。自分たちの国なのに。そういえばガスケのウェアは青白赤のトリコロールだった。本来、国や民族をしょって戦う、なんてイメージは弱小な(あるいはそう思ってる)グループが持ちがちなものだ。

emirates-plane-Roland-Garros-2013.jpg

さて、錦織選手を破ったガスケ、スコットランドのマレーに善戦しました。私は今度はどちらが勝っても良いと思ってた。錦織君を破ったのだから強いはずだ、頑張ってほしい、とも思うし、てめえやりやがってマレーにぼこぼこにされろとも思わなくもないし、でも私はほどよく弱い人達が好きだから、やはりフランスの選手は全仏は取ってはいけないような気がする。貴方たちは思う程弱くはないのだし充分に強いのだ。テニスの全仏オープンくらいくれてあげると良い。

勝つ人が一人なら、あとは全員負けるのが道理。
そしてそれはそれで良い。


ところで仮に…同じような組み合わせを日本で観戦するような機会があったら、この度のお返しに逆を応援しよう。
日本人も自分たちで思う程弱くはないのです。人口が多く、それなりにお金があれば(ただし相応の時間差を伴って)強くなるのが道理ですから、今後少しずつ強い選手がでてくるでしょう。
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