第一八七稿(仏国煙事情2016) - スポンサー広告これはバイク(パイプ)ではない。

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第一八七稿(仏国煙事情2016)

のそのパイプの、
汚れ方だの焦げ方だの、
僕はいやほどよく知つてるが、
気味の悪い程鮮明に、僕はそいつを知つてるのだが……
―中原中也 「曇った秋」より

最初のパイプを手にしたのが、昨年(2015)の暮れ、12月30日のことでした。それ以来、初めて火遊びを覚えたわたくしは、すっかりその気になり、そしておよそ三週間が過ぎたのです。その間に消費した紙巻はわずか二本だけ。もちろん新しいパックを買うこともない。別に禁煙がどうの、というタイプではないので今後も機会があれば吸うかもしれませんが、特にその気にならない、というのが真相です。ただパイプはいちいち時間がかかりますから、マスツーとかに行って道の駅やらコンビニやらで皆で一服、みたいな機会(は今のところ私にはありませんが)には適さないでしょうね。置き去りにされること必至です。だから、いつもなにやら一人だけ孤立しているような生き方をしている人向けなのかも知れない。

時に、喫煙大国と呼ばれることさえある仏国の(パリおよびその郊外の)事情ですが、これは実際その通りだと思います。ただし、昔は何処でも吸えていたのが、世界的な流れに譲る形で、公共の場での禁煙が導入されたのが2007年のこと。以来、屋内では禁煙(もちろん自宅を除く)、屋外ではOKという区分です。だから全てのお店の中は禁煙ですが、営業が終わればOKということで、看板をしまった後、おもむろに残った常連たちが銘銘火を付ける、というようなシーンが見られるようになった。

レストラン等は当然全て禁煙なので、外に出て吸う。とは言え、基本的に全てのレストランもバーもみな路面店なので、数歩移動するだけで外に出られるから実はそれ程大きな問題ではない。そもそもテラスならば外だから当然可。それでも嫌いな人にとっては、少なくとも煙の中で食事をしなくても済むようになったのは良い事でしょうし、今のところみな納得しているような雰囲気はあると思う。

確かにかつてはカフェに入ってコーヒーを注文し、そのままカウンターでエスプレッソをやりながら煙草プカプカ、吸い殻は足元に投げ捨てて…と言うのが普通だったのです。今でも歩行喫煙は普通ですし、投げ捨ても普通です。別に良し悪しをどうこう言うつもりはなく、単にそういう文化なのです。ただし、当局は街をキレイにしようという努力はしていて、投げ捨て対策を近年導入しました。

megotparis.jpg

この黒い円盤で消して、それからゴミ箱に入れてね、というもの。
ちなみにゴミ箱とは、

poubelleparis.jpg

こういうもの。決して箱なんかではなくビニール袋です。
つまり、煙草は「もみ消してビニール袋のゴミ箱に入れる」のが正解。もちろん市による正式な施策です。
日本などよりずっと湿度低いんですけどね。
私などはこういう大胆なところ、なにげに気に入っているのですが
神経質などこかの国ではまず通らないでしょう。

※とは言え、人口密度が大幅に違います。多くのことはそれで説明がつきます。

私が来た当初、歩きタバコが恰好良いとか投げ捨てが映画みたい、とかそんな子供っぽい事を考える年齢は過ぎていましたが、とは言え右も左もわからずマゴマゴしている初心者から堂々としたパリっ子へ、等のイメージはあり、喫煙者としてはそれ位のことはしたくなる。日本ではできない、というのもあります。ささやかな反逆精神の発露とも言う。

ところがどうもさまになりませんでした。やはり気になる。投げ捨てたは良いものの、ちゃんと消さなきゃと歩幅を合わせたりするあたり、所詮は小市民的。水溜りに投げ込む、とか車道に投げ込むとかが関の山です。それで結局、このゴミ箱消しを使ってました。これが最新流行なんだと言わんばかりに率先してやってましたが、実際最近の政策ですからその通りなのです。ゴミ箱はかしこにありますし、簡単なので普及はしていくでしょうが、そのペースは蝸牛並でしょう。やりたいようにやるのが国民性だから。

もう一つ、顕著な特徴があるとすれば、「貰いタバコ」でしょうか。貰い煙草の習慣が普及している、というわけではなく、煙草をくれないか、と頼んでくる人の多数さです。初めは面食らいましたし、人によっては「煙草をお持ちではないですか?」なんて丁寧に言ってくるので、持ってはいるけれども?なんて思ったものですが。有体に言えば「一本恵んでくれ」、ということだと理解するのに時間はかかりません。

※2016年1月現在、一番安い紙巻タバコが一箱6.5ユーロ、円換算にして約833円。
最低賃金がおよそ1400ユーロ程、約18万円。
今は円安ですが、数年前の1ユーロ=100円で考えると650円に14万円です。


場所にもよりますが、比較的「庶民的」な地区で顕著ですし、私の使っていた北駅などでは通るたびにそんなことがあった。もっとも駅は禁煙、でも外のホームになると皆吸ってる。そしてそれを真似しているとせがまれる。大学の構内でもしばしばでした。パリはその物乞いの多さで観光客に比較的ショックを与える場所ですが、煙草クレ攻撃も結構なものがある。ナイーブな人ならば胸にこたえるでしょう。私個人は、断り続けるのにも疲れ、「ごめんもうないんだ」と嘘をつくことにしていた。これは確かにちょっとカナシイこと。なら吸わねば良いだけじゃない?と非喫煙者の諸氏は思うでしょうが、これをコーヒーやチョコレートと置き換えて想像してみればいい。そしてもちろんアルコールと比較するのが一番わかりやすい。

ちなみに紙巻のシガレットとは、出てきた当初は高級品でした。それが工業化によってじょじょに庶民の下へ降りてきたわけですが、降り切った所で税金を高めにかけられるという按配。そう思えば私は裏切り者のような気もするし、うまく逃げ出したような気もしないではないのです。

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