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第一八三稿(ピューリタン革命と禁酒運動、善悪の被害(彼岸)にて)

Des ennuis accablants, de la morne tristesse,
Ô tabac, l'unique enchanteur !
Des plaisirs ingénus, de l'aimable allégresse,
Ô tabac, la source et l'auteur !
ちひしぐ憂鬱、味気のない悲しみ
嗚煙草よ、唯一の慰め!
無邪気な喜び、心地よい歓喜
嗚煙草よ、その源にして作り手!

le Tabac Ode
Paul Desforges-Maillard (1699-1772)
より


1eravril.jpg

デビッド・ボウイが「星屑のジギー」を創りだした時、ホモセクシャルとの設定にしたわけですが、
本人もバイであるとカミングアウトしたことがあります。
ところが後になって、その告白は大いに間違いだったと語ることになる。
正確に言えば、カミングアウトしたこと自体がミステイクだったというわけです。
つまり、「余計なことは言わなければよかった」というような意味において。

そして20年程も経ったのちに、とあるインタビューにおいて
今でもあの告白はミステイクだったと思うか、と問われ答えたのは、
「ヨーロッパにおいては問題なかった。でもアメリカでは状況はタフだった。
アメリカとは非常にピューリタン的社会だから(…)」。
※参照:Wikipedia(en) David Bowie
実際にはそれ程バイセクシャルではなかったらしい。


ところで社会が急激にアンチタバコになっていく様を私は世代的にまさに目の当たりにしてきたわけですが
そのあまりの勢いと強引さ、またアメリカ発生であるという点に鑑みひとつの仮説を立てたことがあります。
これは禁酒法(Prohibition)の再来なのではないか?
アルコールの禁止はさすがにうまくいかなかったけれど、およそ一世紀以上を経て
諦めずしつこく攻撃してきたのではなかろうかと。

では(仮にそうだとして)、

誰が?なんの目的で?

勤勉と清廉を旨とするプロテスタンティズムや清教徒主義がその発生でしょう。
禁酒(煙ではなく)に関して言えば、歴史を紐解けば
禁酒法以前にもかなりの長きに渡ってそのような運動があったことが知れます。
想像するに酒に溺れ貧困に陥るといった人々をみかねた宗教者が
それを禁じると言ったことは普通にあり得そうなことで、
当初はそういったものが原動力になったことでしょう。
ただし後になって、ビールばかり飲むドイツ系移民が気に喰わないとか、
ウィスキーのアイリッシュ系が気に喰わないとか、
そんなことが複雑に絡み合いどんどん政治的になってくるのも想像に難くないことです。

つまりアルコールを禁止することによって利益を得る方面とは存在するでしょうが、
それが目的で根回ししたのだけが発生とも考えにくい。
後世になれば様々の利権が絡み合って、政治的になっていったことと思いますが
「アルコール=悪徳」という基本原理自体には相当に宗教的なバックがあったことだろうと考えるわけです。

The Drunkard's Progress - Color

アルコールによる悪徳度の指標。9段階に分類されてる。
はじめは楽しいけど峠を越えると…最後は自殺による死。


さて「正しい社会」を標榜する彼らにとって、悪徳とはいつでも攻撃せねばならぬ対象です。
それこそが生きる意味なのですから。
あとは何が悪徳かを決めれば良い。いや、決めねばならない。
そして、「悪の枢軸」とかを定義づけると盛り上がる世論や莫大な利益のあがる業界があるのです。

思うに、個人が清廉潔白に生きよう、と言うのならばそれは立派なことで
なんら反対するところではありません。
でも、善悪とはそう簡単に白黒つくものではありませんし、人に強制するものでもない。
(封建時代ならいざ知らず、少なくとも現代社会においては)
むしろ強制しはじめたとたんに、「偏った価値判断」と言うくびきのもとに地に堕ちるのが普通です。
「親切で言ってあげてる」、なんて余計なお世話なのです。

だいたい、今どきアルコールが悪徳、なんてもうちっとも言われてないではありませんか。



ところで(禁煙運動の喫煙者にとっての)問題は、税制度とくっついてしまったことですね。
つまり税金をどんどんかけられる良い口実になってしまったということです。
さらに今回は、禁酒法の時代と異なり「副流煙被害」という強力な武器を携えて
もっと払いやがれ、と迫りくる。二度目は敵もさるものなのです。

そして現状はむしろ税制的な理由に支えられていて、というのが本当のことだと考えてます。
きっかけは本当に嫌いな人たちや社会に美徳を、と本気で信じている様な人達がハードコアにいて
でもそれがこれだけの規模になりえたのは良い税収になるからです。

健康保険や医療関係の支出を減らすため、という一見もっともな理由を
ナイーブに信じている人も多かろうと思いますが、少し考えればそんな簡単なわけがない。
仮に喫煙とある種の疾患の間に相関関係があるとしても、禁煙した人々がそのまま他の病気にならず医療費を使わず
ある日ぽっくりと逝ってくれる保証なんてどこにもないからです。
かつそういうデータを取るのは非常に難しい。それにデータとはいつでも全体の一部しか見せないものです。

だから、これはほとんど詭弁にしか過ぎないのですが、税金を上げるためには非常に優秀なものでした。



ちなみに、ある種の共同体を維持するためには税金は避けられないものです。
それが嫌ならば、前世紀にもどって植民地を獲得するなり他所から奪わないといけませんし
それは現実的ではない。なら内部で賄うとして、どの方面からどれだけ徴収するかです。
なるべく弱いモノ虐めをしてないよう見せかけつつ、必要な分は確保しないとね。

pipechocolat.jpg

まあ、今後税金が下がることはないでしょう。
嗜好品とは庶民に許されたわずかな余剰にて文化を作るものですが
マイノリティでいる、というのも悪くはないものです。
税金を多少は多めに払ってる、という誇りをもって生き続けるとしましょうか。

このカテゴリーを閲覧するとものの見方が偏り、社会に適合しにくくなる恐れがあります。
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