第一八〇稿(パイプ事始め一) - スポンサー広告これはバイク(パイプ)ではない。

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第一八〇稿(パイプ事始め一)

思えばフランス語を始めた頃(かれこれ15年ほどたつ)、カナダ人のジャーナリストが地域別にあちこちを旅行しながら旨いものを食べたりする、というロードムービー的な教科書を使っていたのですが、

※カナダはフランス系の移民が結構多い。特にケベック。モントリオールが州最大の都市。


その時にジュラ地方の巻で、パイプの名産地だということがすでに出てきていました。
ちなみにジュラはスイスの脇の山岳地帯ですが、恐竜のジュラ紀も映画のジュラシックパークも
そこから来ています。要はそこで化石が見つかったから。

パイプ自体はアメリカ大陸からヨーロッパへ渡り、最初は素焼き粘土とかで作られていたらしい。
その後メシャム(海泡石)になり、それからブライヤー製になった。

ところでメシャムって何だ?と思いますが、ドイツ語起源で海の泡、
仏語でも同様に海の泡(エキューム・ド・メール)と言います。海泡石はその直訳語ですね。
セピオライトと言う一種の鉱物で粘土が堆積してその組成を変化させたもの位に理解してる。
海の泡は、黒海あたりでプカプカ浮いていたのを見つけてそう名付けたと言うことでしょう。

思い出せば20年程も前か、初めてパリに来て(その時は旅行で)街をぶらついていた時、
パンテオンあたりの街角にパイプ屋がありそのショーケースに飾ってあった。
プラスチックみたいな感じの白いパイプ。それに彫刻してあったりする。
タバコなのに白?それも純白?と驚いてたものですが
その後それがメシャムなのだと知った。
パイプの女王と言われ(その場合王様はブライヤーでしょう)使い込んでいくと琥珀色に色が変化し、
それを愛でる一部の好事家もいるとの由。
往時には有産階級に愛された品です。

aging-meerschaum.jpg

確かに良い色になる。装飾の優美さと相まって調度品として愛好されていたのがわかります。
彫刻されたものが多いですが、時には結構怪奇なものも。


ecumepipe.jpg

メシャムは今でも現役ですが、現在では大半はブライヤー製でしょう。
先述のジュラ地方は山岳地帯ですから、そこの木かと思いきや違う。
地中海沿岸に産するツツジ科の灌木で、とにかく硬く熱に強い。根の瘤の部分(のさらに特定の部位)を使うと高級なものができるらしい。

ブライヤーの木目(グレイン)の秘密を探る。
このページに詳しい。木目ってやっぱり人を惹きつける。

ところでパイプと言えばこの絵を抜きに語れません。

Magritte.jpg

シュールレアリスムの世界では超有名なマグリットの作品。「これはパイプではない」。
絵自体のタイトルはイメージの裏切りという。
フーコーがこれをもとに哲学的思索をしたのもその筋では知られた話。


と高尚な話をするフリをしつつ続けますが、仏語で「パイプをする」と言えば妙な意味になります。

fairepipe.jpg

「えーと、パイプの匂いがお邪魔でなければ良いのですが?」
気にするところがわずかに違う。


だから「これはパイプではない」、マグリットの作品をもじり
さらにそこに「高尚な」意味を加えたパロディなんかはあえて載せませんが探せば結構出てくるものです。
ただし、この言い回し、妻に聞けば相当使い古されたものらしい。
今どきは流行らないらしいので、だからあまり気にせずパイプと発話して構わない。

いずれにしてもジュラはサン・クロードと言う町が今でもパイプの都と呼ばれ名産地となっています。
私の(最初の)パイプもサン・クロード製、無銘ですが現地の職人の手になるもので
高価ではないながら正統的なものです。

s-DSCN4264.jpg

慣らし運転中。オーバーヒートさせてはいけないとか、カーボンの厚みとか色々ある。
エンジンみたい。まだちゃんとできてるとは言えないと思う。


初心者向けに小さいものを購ったので、あまり長くはもちません。
かつ程よく火を保つのが決して簡単ではない。
数日間練習してようやく10~15分と言ったところ。
一度火を付ければ30分や一時間はもつ、と聞いていたのでそう思うとせわしないです。
もっとも慣らしの最中は、葉は少な目で徐々にカーボンを盛っていくべきらしいので
その意味ではそういうものなのでしょう。

そして、パイプは休めた方が良いらしいのでおのずと一本では足りない、ということになる。
そもそも物にこだわる性癖の人には集めるのにもってこいの品ですよね。
場所もとらないし、価格もたかが知れている。
その割に素材や形にヴァリエーションが豊富で、かつ喫味が微妙に異なったりというようなことになれば
タバコ自体のヴァリエーションと相まってつい色々試したくなり、そして集めてしまう。

私は収集家の気持ちはわかりつつも、同時に一つのものに集中したいので
なるべくそうならないよう普段色々気を遣ってるのですが、休ませねばならないと聞けば
ついそれを言い訳に他のモノも欲しくなるのが人情です。
いずれにしても燃焼室のもう少し大きなものが必要だな、とわかってきたところ。
大排気量(車でのんびり)がやっぱり好きなようです。
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Comments - 2

ろりつね  

No title

英語と米語でも「タバコをやる」が「ゲイでやる」という意味で話が噛み合わないジョークがありました。

杢目といえば前回ギターの話がありましたが、見た目の人気の高いのはメイプルで、炎の揺らめきのように見えるフレイム・メイプルの他にもキルテッド・メイプル、バーズアイ・メイプルなんてのもあって美しい。そして高い。が、音には関係ない。といっても用いられるのは高級ギターなので、美しさが指標になったりはします。ただそういったメイプルは実は木の病気の模様だと聞いたことがありますが。

一枚目の画像は「タバコ・サンバースト」とという最初期から今でもギターに用いられている色にそっくりです。ギターもレリック加工といって、新品なのにボロボロにヤレた感じを出すのがクール(ヴィンテージは買えない)、みたいな界隈があって、バイクにもパイプにも似てるなぁと。
ヴィンテージ物になるとパイプも高いのでしょうか?

2016/01/07 (Thu) 22:05 | EDIT | REPLY |   

車輪の上  

No title

ギターの○○サンバーストと言うのありましたね、確かに似てますね。ビリヤードのキューもメイプルは主要な材料なので、中でもバーズアイは基本の素材です。フレイムやキルテッドと言うのは知りませんでしたが、やはり好きな人達が沢山いて色々クラス分けするのでしょうね。ちなみにその筋の年配の人たちはバー材(バーズアイ)等と呼んでましたがほぼ必ず死語になると思われます(笑)。

私は虎のメイプルが好きなのですが、鳥眼と虎は切る方向の違いかなと理解してます。でもそんなに簡単なことではないのかも知れません。

一部の古いパイプは骨董として価値があるでしょうね、あとは作家ものが高いです。なぜかデンマークが有名ですがそういう○○センみたいのを所有して長く経てばヴィンテージってことになるのかも知れません。パイプはラスティック(田舎風)加工しますがギターはレリック(遺物風)なのですね。面白いです。

2016/01/08 (Fri) 06:19 | EDIT | REPLY |   

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